コンガリ舎(くぼともこ)

お菓子の焦げ目を思わせる温かみのある器たち

「作品を作る時、窯に火を入れる時に『こんがりとよく焼けますように』といつも自然と思っている」ことから名付けられた、陶芸作家くぼともこさんのブランド「コンガリ舎」。名前の通り、美味しいお菓子の焦げ目をイメージさせる温かなタッチの削り出しがこちらの器には施されています。

 

日常の何気ない風景が素朴で愛らしいデザインに

なんとも愛らしくついつい手に取って見たくなるデザインは日常から生まれてくるとくぼさんは話します。「植物が好きなので、種や実の形から発想を膨らませることも多いですね」と伺うと、作品がより生き生きと見えるのも不思議です。美大で学んだ絵画の技術と陶芸の技術が合わさることで、オリジナリティのある愛らしさが作品一つひとつに投影されます。

 

片付け忘れた食器すら愛おしく感じさせるデザイン

そんなくぼさんの代表作といえばパン型のパン皿。フリーハンドで形を描いたこの皿は、「片付け忘れてテーブルにポンと置いてあっても、これなら可愛いかなと……」というくぼさんの良い意味で緩い性格が表れています。そんな彼女が愛して止まないのが民芸の世界。模様も釉薬も伝統的なものが好きと話すくぼさんの作品からそこはかとなく懐かしさを感じるのは、彼女のそんな想いが根底にあるからかもしれません。