西原佑騎

制作過程ムービー

 

ガレージから全国へ発信する糸島の金属工芸作家

糸島では珍しい金属工芸作家の一人、西原佑騎さんは、2010年に自宅のガレージを改装して工房を設立しました。彼が手がけるのは錫(すず)を原料にした器やオブジェ。錫は熱伝導がよく冷えやすいため、酒器などに重宝されます。そのほか、置物などのアート作品なども数多く展開。

 

美しい槌の跡が手に取った人を魅了する

西原さんが用いる金属加工の技法は鍛金(たんきん)と呼ばれるもので、金属の板を木槌や金槌で叩いて立体的な形を作ります。錫に刻まれた美しい模様は、西原さんが一つひとつ丹精込めて槌を打ち付けたもの。気が遠くなる作業が一つの作品を作り上げているのです。西原さん曰く「その時の心理状態が作品にも出ます。焦っていると金槌の当たり方も乱れるんですよ」とのこと。

 

京都の老舗ギャラリーも認めた技術の高さに注目が集まる

工房を設立後にコンペに出した錫の器が、京都で180年以上の歴史を誇る老舗の金工品ギャラリー「清課堂」の目に留まったことをきっかけに全国でも注目されるようになった西原さん。2019年には「九州芸文館トリエンナーレ2019」で、アート作品『地を這う者の夢』が筑後市美術協会賞を受賞し、さらに注目を集めることに。彼の活躍に多くの人が期待を寄せていることは、言わずもがなです。